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初診証明の書いてもらい方は?


Q:99年11月から精神科・心療内科のN医院に通っており、そこでの初診当時は不安 神経症でしたが、3年後の02年10月ごろからおかしな言動が目立ち、その頃から 統合失調症と診断されています。社会保険事務所に相談したら、事後重症のケースに なるので、N医院で初診証明と現在の診断書を書いてもらうよう言われました。

問題は、N医院の初診証明に「他院での睡眠薬を倍量のんでもねむれない」と、初診 当時の症状に書かれてあることです。それでは「他院」が初診になるのではと思いま す。当時「座骨神経痛」で通っていたT整形に眠れないと訴えて睡眠薬を出してもら い服用してました。T整形にはN医院より2〜3年前の96年ごろから通っていまし た。

そこで、T整形に当時の診療記録が残っていないか問い合わせたのですが、もう処分 しているとのことでした。このような場合、T整形での初診証明(当時の受診証 明?)が取れないと、障害基礎年金の申請はできないことになってしまうのでしょう か。(当時の納付用件については、当時も第3号被保険者だったので問題ないと思い ます。) 

A: 障害年金の受給に医師の証明書は決定的な影響を与えるにもかかわらず、障害年 金の決定方法などへの医師の理解が不十分なことにより、こういうことが起きてしま いがちです。

少なくともまず始めることは、N医院のカルテの中に、N医院受診前の治療歴について、どこでいつから睡眠薬を処方されていたか、不眠はいつ頃からかなどの記録がないか確認することです。そして、その記録があるのであれば、受診状況証明に加筆してもらいます。
そういう記録がない場合は、どうするか。申立書で補強することで対処するなどが考えられますが、こういう場合の初診日の立証は専門家のサポートをお勧めします。

なお、初診日が特定できなくても、ある期間内にあることが推認できる場合は、日付を特定できないことを理由に不支給にすべきではないという社会保険審査会(2度目の不服申立の審査機関)の裁決例(裁判でいう判例にあたる)があります。⇒H16.10.29裁決,H16裁決集,被用者保険p.333

〜初診証明について〜

@ まず、前提としてカルテ保存期間は法定で5年ですが、病院によっては20年、30年と保存しています。5年たっているからと言ってうあきらめないことです。さして、たとえカルテがなくても、入院したことがあれば、入院記録の保存期間は長めにしている病院が多いです。入院記録がなくても、受診日の記録だけでもないかどうかも確認してください。単科の病院であれば、それだけで受診証明となりますし、総合病院でも受診科が特定できれば、同じように受診証明として有効とされる場合があります。

A 初診のA病院初診での証明が取れなければ、次のB病院をあたり、その病院で受診証明 を書いてもらいます。そこもカルテがなければ、次のC病院をあたるというように、 順にあたって、なるべく過去の証明を確保します。
Aでも、Bでも、Cでもどこで切っても、納付条件や厚生年金の場合の加入条件を満た しているのであれば、問題はありませんが、Aだけで条件を満たしているが、BやCで はダメという場合は、BやCのカルテにA病院の名前までいかなくても、受診年月が記 載されているかどうかが受給の分かれ目となると言えます。

もちろん、診察券や領収書などで受診が客観的に証明できる場合は、それが証拠にな ります。
レセプト(診療報酬明細書)を、健康保険に開示してもらうという方法もありますが、レセプト保存も5年です。

B この事例では、精神科の受診日でも、整形外科の初診でも、納付条件は問題あり ませんからいいのですが、仮に精神科ではダメ、不眠を訴えた整形外科ではOKであっ た場合は、逆にこちらから積極的に不眠を訴えた整形外科での受診を初診日とするよ うに主張することになります。

この場合、整形外科のカルテがないのですから、その 場合は、もっとさかのぼって精神科以外の不眠などの受診はないか、精神科の受診を 勧められたことはないか、を探すこと、そしてこの整形外科の医師の記憶による証明 はできないかなどを追求します。
なお、医師の記憶は、カルテによる証明に比べると 格段に弱いですが、それでもその記憶が他の状況証拠などからして確からしいと推認 される場合は、初診として認められた事例は、不服申立を経ればいくつかあります。


Web www.shogai-nenkin.com

安部敬太社会保険労務士事務所
社会保険労務士 安部敬太
安部敬太
東京都東村山市

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